スーパー歌舞伎『もののけ姫』を配信で観た|駆け込み視聴でも、じゅうぶん惹き込まれた

スーパー歌舞伎『もののけ姫』配信をみた感想(和紙と筆文字のイメージ画像) 観劇レポート

スーパー歌舞伎『もののけ姫』、歌舞伎オンデマンドの配信で観ました。

ずっと気になっていた作品です。ジブリ作品と歌舞伎の融合、いったいどうなるんだろう、と。しかも新橋演舞場でしか上演されない。「観たいなあ」と迷っている期間が長くて、「よし、行こう!」と思ったときには——もう満席でした。通常運転です、わたし。

そんなわけで、配信で。しかも仕事の都合で、配信最終日に駆け込み視聴。上映時間は3時間50分。それでも、まったく飽きませんでした。

「これ、どうなってるの?」の連続

歌舞伎でジブリを、どう表現するんだろう。観る前はそこがいちばんの疑問でした。

観てみると——ちゃんと「歌舞伎の世界観」に融合されているんです。ジブリのあの綺麗な世界を、そのまま持ってくるのではなく、歌舞伎の側に引き寄せて成立させている。そして”スーパー歌舞伎”の名の通り、若い世代にも入りやすい演出が多いと感じました。

驚いたのは、壱太郎丈(サン)のバク転。……歌舞伎で、バク転。

そして子役の6人が演じる「コダマ」。これがもう、とても可愛いんです。

ヤックルや馬も出てきます。「これ、どうなってるのかな?」と、つい仕掛けを考えてしまったり。シシ神さまが乱心する場面は、「こう表現されるのか!」と感心しきり。

見ていて、本当に飽きない演出でした。

「ほんまにできるんか?」と思ってしまう

それにしても、山犬の兄弟を演じる俳優さんたちの身体能力にも感心しきりでした。

……ときどき客席で、「はいはい、それくらいできるわ」という空気を漂わせている方(たまに言葉にしちゃってる方)をお見かけするのですが。ほんまにできるんか? と聞きたくなる気持ちが、この作品でより一層強くなりました。笑

歌舞伎に限らずですが、「できそう」とか「なんとなくダサい」と思われてしまうことも、あるのかもしれません。でもわたしは、観るたびに思うんです。あの動きは、毎日精進を重ねているからこそ。 あるいは、センスのある方が、その上に積み重ねてきたからこそ。

簡単そうに見えるものほど、そうなんだろうなあ、と。

可愛いだけじゃない、畏敬の念

観終わって、まず思ったのは——いや、もう……可愛い世界

でも、それだけじゃないんです。劇中には「神様」への畏敬の念があって、ゾワッとする演出もありました。可愛さと、畏れ。その両方があるから、深く残るんだと思います。

そして観ながら、ずっと感じていたことがあります。

みんな、それぞれの信念と正義があって——だから争いが起こる。

見どころ|モロの君の言葉

見どころを一つ挙げるなら、モロの君(山犬たちのお母さん・市川笑三郎丈)の言葉です。

映画では美輪明宏さんが声を当てられていた役ですね。その言葉が、強くて、そして愛情がある。アシタカに向かって、「お前にサンが救えるのか?」と何度も問う場面——ここが、強く響きました。

カーテンコールが、本編と続いている

そして、カーテンコール。

本編の最後に、アシタカがサンに「ヤックルに乗って会いに行くよ」と言うのですが——カーテンコールは、それが実現されている描写になっているんです。

物語がそこで途切れず、地続きで続いていく。この演出、とても良かったです。

千穐楽だからでしょうか、俳優さんたちの晴れやかな笑顔が印象的でした。

配信で観て、思ったこと

もちろん、劇場で生で観るのがいちばんです。あの空気の中で観られたなら、感動もひとしおだっただろうなあ、と思います。

ただ——配信には配信の良さがあるというのが、正直な感想です。

見切れることが少ない。 劇場だと、席によっては見えない部分が出てきますが、配信ならそれがない。カメラワークに委ねる部分だけは致し方ないとして、これはこれで、とても良いと思いました。

もうひとつ。わたしはリアルタイム(生配信)でも少し観て、じっくり観たのはアーカイブのほうだったのですが——アーカイブは編集されていて、より見やすくなっていた気がします。しかも、生配信では見られなかった「ヤックルの見得」が入っていました。

おわりに

配信は今日まで。駆け込みでしたが、とても楽しめました。

再演があれば、次はぜひ劇場で。 今度は迷っている間に満席、なんてことがないようにしたいです。笑

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