歌舞伎『刀剣乱舞 東鑑雪魔縁』観劇レポート|博多座

観劇レポート

2025年8月6日(水)昼公演、博多座にて歌舞伎『刀剣乱舞 東鑑雪魔縁』を観てきました。

「刀剣乱舞」って何?知らない人にも読んでほしい

「刀剣乱舞(とうらぶ)」は、DMM GAMESとニトロプラスが共同制作したブラウザゲームです。日本刀に宿った付喪神(つくもがみ)が人の姿になった「刀剣男士(とうけんだんし)」たちが、歴史の改変を企む敵から歴史を守るために戦う、というのが基本的な世界観です。

キャラクターは実在した名刀がモデルで、たとえば「髭切(ひげきり)」と「膝丸(ひざまる)」は源氏に伝わった兄弟の太刀、「三日月宗近(みかづきむねちか)」は天下五剣のひとつとして有名な刀です。歴史や日本刀に興味がある方には特に刺さる世界観やと思います。

ゲームからミュージカル・映画・アニメと様々なメディアに展開されてきた人気コンテンツで、今回の歌舞伎もそのひとつです。

歌舞伎『刀剣乱舞 東鑑雪魔縁』ってどんなお話?

「東鑑(あずまかがみ)」とは鎌倉幕府の公式記録書のこと。舞台は三代将軍・源実朝の時代。権力争いが絡み合う鎌倉幕府の中で、実朝とその御台(奥方)・倩子姫の純粋な想いが描かれます。そこへ歴史修正主義者が暗躍し、歴史が揺らぎそうになるところに刀剣男士たちが現れる、という物語です。

歌舞伎の様式美とゲームの世界観が融合した、ちょっとほかでは見られないジャンルの作品です。

「後の世でまた会おうぞ」──何度聞いてもジーンとくる

印象に残ったシーンはいくつもあるんですが、何度思い出してもじわっとくるのが、中村歌昇丈演じる源実朝と、御台・倩子姫の別れのシーン。

実朝の心のうちを語るシーンはいくつかあって、そのたびに引き込まれるんですが。中でも御台に向けて語りかける「後の世でまた会おうぞ」という言葉が、もう……。

ふたりの間にある愛情と、避けられない運命。その重さがあの一言に全部詰まってる感じがして。何度聞いても、じわっときてしまいます。

ゲームファンも、ミュージカルファンも、歌舞伎ファンも全員楽しめる

これ、本当にそう思いました。

歌舞伎の様式美はしっかりあるし、ゲームのキャラクターたちはちゃんとゲームのキャラのまま舞台に立ってる。ミュージカル的な華やかさもある。それぞれのファンが「自分のフィールドで楽しめる部分」があって、かつ「自分が知らなかった世界」も覗ける、という作りになってるんですよね。

1幕目のお芝居は見どころたっぷりで、物語としての完成度も高い。個人的には2幕目の舞踊「舞競花刀剣男士」が特によかったです。何度でも見たいと思ったくらい。

2幕目の三番叟──所作の美しさに見惚れた

2幕目は刀剣男士たちによる舞踊の連続なんですが、その中でも最初の演目、髭切・膝丸兄弟による三番叟がとにかく美しかった。

ご存知の方も多いと思いますが、三番叟は私自身がとても好きな演目でもあります。その三番叟を、刀剣男士のキャラクターのままで踊る。ゲームを知らなくても「この兄弟の関係性」みたいなものが所作から伝わってくるような気がして、見入ってしまいました。

私はゲームはしたことがないんです。でもそんな初見の人間でも、キャラクターを体現したままで踊る刀剣男士たちの表現に、ちゃんと引き込まれる。それがすごいなぁと思いました。

見惚れる演目の連続で、あっという間の時間でした。

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