六月博多座大歌舞伎 夜の部 幕見レポート 「ぢいさんばあさん」

観劇レポート
博多座 祝幕

先日の夜の部レポートで「幕見券を買うて、全部見直したいと思ってる」と書いたのですが、有言実行してきました。今回は幕見で「ぢいさんばあさん」だけを観てきたのですが、これが本当によかったです。


ぢいさんばあさん とは

森鷗外の短編小説を原作に、劇作家・宇野信夫が作・演出を手掛けた心温まる新作歌舞伎です。

江戸番町の旗本・美濃部伊織(菊之助改め八代目尾上菊五郎丈)とその妻るん(中村雀右衛門丈)は、おしどり夫婦として知られる仲睦まじい二人。子どもにも恵まれ、穏やかな日々を送っていましたが、るんの弟の起こした騒動のあおりで、伊織は一年間の京都勤めを命じられてしまいます。たった一年のつもりが、思わぬ事件が重なり、二人は長い歳月をへだてて離れ離れに……。それでも変わらぬ夫婦の情愛を描いた、静かで温かい物語です。


幕見席について

一幕見券のご案内

幕見席は3階席の一角に設けられています。お値段がお手頃な分、舞台からの距離はそれなりにあります。視力が弱い方はオペラグラス必携、というのが正直なところ。でも逆に言えば、オペラグラスがあれば役者さんの細かい表情まで楽しめる、なかなか侮れない席でもあります。オペラグラスがなくても舞台全体の雰囲気は十分楽しめるので、気軽に挑戦できると思います。

ただ、個人的には花道を使わない演目が幕見向きかな、と思っています。3階からだと花道が見えにくいので、そこは頭に入れておいた方がいいですね。

3階席でも4列あるのでそれぞれの場所やご自身の身長に寄ると思いますが、体感としてほぼ花道は見切れてしまう感じです。


観てみて

最初から通しで観ることで、物語の理解がぐっと深まりました。やっぱり最初から観るのって大事やなぁと実感しました。

可愛らしい二組のご夫婦のやりとりが微笑ましくて、ふっと肩の力が抜けるような、あたたかい気持ちになれる舞台でした。

ただ……今回、後ろの席の方が立てる物音が少々気になってしまって。どっぷり物語に浸れなかった感が残り、そこは残念でした。ただ、これはどの劇場・どの席でもある「客ガチャ」やなと思っていて。幕見席だと、後ろの方も同じ幕見のみのお客さんだろうし、難しいところでもあります。(主に通しの観劇になるけど、)どうしても辛い場合は、劇場の係員さんに相談するのが一番かなと。今回は我慢しましたが(泣)、それでも、あの二組の夫婦のやりとりは十分に楽しませていただきました。

また機会があれば、ぜひ幕見も利用したいと思います。


六月博多座大歌舞伎 夜の部(幕見) 2026年6月 「ぢいさんばあさん」/森鷗外 原作・宇野信夫 作演出

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