水谷千重子50周年記念公演@博多座|友近さんの“芸達者”に脱帽した夜(観劇レポート)

博多座の大看板「CAKUGO 愛と憎しみと追憶と沈黙のミス・フローレンス 水谷千重子50周年記念公演」 観劇レポート

過去の話になってしまうんやけど、2025年9月16日、博多座で「水谷千重子50周年記念公演」の夜公演を観てきました。

正直に告白すると、わたし、最初は水谷千重子さんがタレントの友近さんの歌手名義やと知らんかったんです。「水谷千重子さん……演歌歌手さんかな?それにしても若く見えるのに、50周年ってすごいなぁ」なんて、のんきに思ってました。あとで友近さんやと知って、ほんまにびっくり。

あ、そうそう。実はわたし、ガンバレルーヤのお二人が見たくて、劇場前ののぼりまでカメラに収めてたんです。……が、この日は出演日ではなかったみたい。こういう日替わりの出演も、公演あるある。会えへんかったのはちょっと残念やけど、それはそれで「また次の機会に」の楽しみにしておきます(笑)。

博多座前のガンバレルーヤののぼり
ガンバレルーヤののぼり。見たくて撮ったけど、この日は出演日ではなく…(笑)

そして劇場に入った瞬間、思わず「花道がある!」と声が出そうになりました。歌舞伎でおなじみの花道が、この公演でも使われるんや、と。博多座ならではの、わくわくする幕開けでした。

開演前の博多座、金の葡萄唐草模様の緞帳と客席
開演前の博多座。金の緞帳(葡萄唐草模様)と、埋まっていく客席。

公演は二部構成。第一部がお芝居、第二部が歌謡ショーです。

第一部|お芝居「CAKUGO」がまさかの本格派

第一部は「CAKUGO(カクゴ)愛と憎しみと追憶と沈黙のミス・フローレンス」というお芝居。

友近さん=コントする人、というイメージが強かったわたしは、正直ちょっと油断してました。ところが——これがもう、しっかりしたお芝居やったんです。ミュージカル仕立てなので、もちろん歌って踊るんやけど、そのステップがまた軽やか〜。「ほんまにすごい人や……」と、開始早々に感動してしまいました。

お話は、ある劇場の団員たちの群像劇がベース。努力だけではどうにもならなかったり、誰かに嫉妬したり、才能が花開く人がいたり……。同性の物語やからか、どの立場の子の気持ちにも感情移入してしまって、胸がぎゅっとなりました。展開も「どうなるの?どうなるの?」の連続で、まったく飽きさせへん。

そんなシリアスな流れの中でも、千重子さんはスケールの大きな与太話をぶっこんで笑わせてくれる。「え、うそやろ?」って思うのに、なんでか「……ほんまかもしれん」と思わせてくる。この匙加減が絶妙なんです。

ちなみに余談ですが、この時期、博多区内の劇場でシャンデリアが落ちる演出が2箇所もあったんです。1箇所は、キャナルシティ劇場の「オペラ座の怪人」。(→ そのときのレポートはこちら)偶然が重なって、ちょっとにやけてしまいました。

第二部|歌謡ショーで“芸達者”が炸裂

第二部は、お待ちかねの歌謡ショー。

まず目を奪われたのが、千重子さんのお衣裳。お着物は公演用にしつらえた、それは素敵なお色でした。そして歌謡ショーの帯が……なんと「タイガーバーム」柄!千重子さんが舞台をくまなく歩いて、可愛らしい声で「見て見てー」とみんなに見せて回るもんやから、もう客席は釘付けです(笑)。

この日のゲストは、はいだしょうこさん(しょうこお姉さん)。さらに他の日も錚々たるメンバーがずらりと揃って、みなさん千重子先生の交友関係やというから驚きです。

セットリストの中でも忘れられへんのが、春日大社の奉納ライブでも披露されたという一曲。惚れ惚れするほど伸びやかな声で歌い上げてくれて……曲名がどうしても思い出せへんのが悔しいくらい、聴き惚れる時間でした。ほんまに芸達者。どの曲も、うっとり聴き入ってしまいました。

かと思えば、友近さんらしい、思わず笑ってしまう楽曲や、元気が出る曲もたくさん。しんみりさせたり、笑わせたり——緩急が自由自在で、「人を楽しませるのが、この人の天性なんやなぁ」と、心から感心しました。

おわりに

「コントの友近さん」しか知らんかったわたしにとって、この公演は完全に見方が変わる体験でした。お芝居も、歌も、話芸も、全部が一流。水谷千重子=友近さんは、ほんまにすごい人です。

次にどこかで水谷千重子さんの名前を見かけたら、迷わずチケットを取ってしまいそう。50周年、おめでとうございます。そして、素敵な夜をありがとうございました。

公演情報:水谷千重子50周年記念公演/2025年9月13日〜22日/博多座(観劇日:9月16日 夜公演)

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